第3章 No.2 器物損壊・個人情報盗難・不法侵入
零无「(向こうはこっちが見えてない、なら・・・。
属性召還・アイテル)」
〝天上明黒〟!!
ヴン・・・!
地形は把握出来てる。
相手の身体能力とか“個性”が解らない以上、避けきれないレベルを食らわせてやれば・・・。
ガッ・・・
「!
・・・ってぇ・・・」
零无「(当たった!んでもって効いてる・・・?)」
「・・・はは、これが“魔法”のひとつ・・・。
ははっ・・・ははは・・・!」
零无「(・・・笑って、る・・・?
なんかよく解んないけど、効いてるならこのまま攻撃しながら出口に・・・)」
「見ィつけた」
零无「ぇ」ゾ)
ガッ
零无「、〜〜ッ!!??」
ポロ・・・
次のアイテルを発動させようと思ったら、左の脇腹に酷く鈍い痛みが走った。
なんだ、皮が剥がれてく・・・!?
なんで・・・?
まだ、距離はあったはず・・・なのに、脇腹・・・!
ぐ・・・っ
ドッ!
零无「っは・・・、く・・・!」
「・・・あァ、やっと顔が見れた・・・。
なあ、痛い?痛いならダメージ食らってる正義の味方みたいに苦しみながら悲鳴上げてくれよ・・・!」
左脇腹を掴まれたまま、地面に押し倒された。
いやもうこれ、押し倒されるってレベルじゃない。押さえつけ倒される?
ただでさえ呼吸しづらいってのに、脇腹を掴まれっぱなしでその上更にお腹の上に座られた。
そして両腕を片足ずつでガッツリ踏まれてる。
わー、両足だけ自由だよヤッタネ!じゃねーよ。
さすがにこの至近距離だと相手の顔は見える。
・・・こいつ、さっきの手の奴・・・?
顔の顔面についてた手が無くて、薄水色の短髪に赤い眼。まるで、血みたいに・・・。
ボロ・・・
零无「ぁ・・・ぐ、っうああぁぁあ・・・!!?
(なん・・・っだよこの“個性”・・・!
は、なに・・・手で触った所を崩すとか壊すとか・・・?!)」
「・・・!
・・・嗚呼・・・イイ声。
どうする・・・?
このままここで俺の手で俺に殺されながら俺に見られて死ぬってルートでも、俺は全然いいけど 」
痛い。
苦しい。
呼吸、整えなきゃ。
落ち、着け・・・!