第3章 No.2 器物損壊・個人情報盗難・不法侵入
[雄英高校・1-A教室]
マスコミ騒ぎの数日後の水曜日。
今日も今日とて午前中の普通の授業を終えて、みんながお待ちかねのヒーロー基礎学。
今日は人命救助訓練をするそうだ。
・・・いつもは先生1人なのに、3人体制で見る事になったらしいけど・・・急遽そうなったのかな。
相澤「今回コスチュームの着用は各自の判断で構わない。中には活動を限定するコスチュームもあるだろうからな。
訓練場は少し離れた場所にあるから、バスに乗っていく。以上、準備開始」
ガゴゴ・・・
人命救助か・・・まあ物をぶっ壊したり人を傷つけるだけの“個性”じゃヒーロー科やってらんないしね。
私自身も人を助けられる力をつけないと。
例の如く壁から出てきたスーツケースを受け取って、コスチュームに着替えた。
そしていざバスに向かおうとすると、しょーさんに呼び止められた。
・・・?どしたんだろ。
零无「どしたの、相澤センセ」
相澤「・・・一応伝えておこうと思ってな。
この前、マスコミ騒ぎになったろ。その時に盗まれた物がある」
零无「え、何を?」
相澤「お前の個性届」
零无「!
・・・ピンポイントで?」
相澤「ああ」
零无「それはまた・・・。
・・・もしかして、今日の3人体制の理由もそれ?」
相澤「ああ。
取り敢えず、伝えたからな」
零无「・・・今更なんだけど、私って監視されてないんだよね?」
相澤「・・・当たり前だろ。何言ってんだ、頭でも湧いたか」
零无「うーわ辛辣(しんらつ)」
相澤「・・・・・・お前がやりたいように戦え。
いざとなったら俺を頼れ」
零无「!」
・・・う、わあ。
しょーさんかっこいいな。
だから戦闘訓練のデータ見ても特に何も言って来ない訳だ。
・・・でも、そっか。
私、もう“自由”なんだ。
零无「しょーさん、ありがと」
相澤「・・・おう」
その後みんなと合流して、私達はバスに乗り込んだ。
座る順番は決まってないみたいで、轟くんの隣に座った。前には耳郎さん。