第2章 No.1 手始めの初めまして。
凍らせたって言っても2人は人間。
寒いなら寒いだけ体温の差がハッキリ解る。
私は足元を溶かした後、凍り付いた壁に触れてビル内の状態を視た。
脳裏に浮かび上がる、ポリゴン。
その中で温度が分かれてる所・・・。
・・・5階の、真ん中フロア。
取り敢えず凍らせてこっちの出方を伺ってるのかな・・・?
ガチャ
零无「轟くんと爆豪くん、それに「核」も見ーっけ」
轟「・・・!」
爆豪「ハッ。さすがに2人を相手にするって大見得切っただけはあるな。どうやって氷攻撃を防いだんだよ」
零无「んや、防いではないよ。溶かした。
・・・てか、いーの?
移動先、見えちゃってるんだけど」
爆豪「ア?
なに言って・・・」
零无「属性召喚・へメラ」
〝夜境昼(モイラ)〟
フッ・・・
・・・パッ
寒いからあんま動きたくないしなー。とか思いながら2人の後ろの「核」の近くに瞬間移動した。
轟「ッ・・・!?」
ゴッ!!
零无「お。っと・・・」
あと数センチで「核」に触れたのに、咄嗟に気づいた轟くんが私の足元に氷を発生させる。
その氷を後ろに跳んで避けた。あっぶな。
てか、反応速度早いね。轟くん。
爆豪「ア!?
てめェいつの間に・・・!」
轟「危ないとこだったな・・・昨日の50m走で瞬間移動してたっけ。ギリギリ思い出したぜ」
零无「あ、覚えてたんだ。
うん、警戒はそのまま解かない方いーよ」
爆豪「・・・っの、ナメてんじゃねえぞ!
随分余裕な口振りじゃねえか!!」
轟「、爆豪!」
BOMB!!
なんか解んないけど爆豪くんがキレた。
あ、やっぱ爆発させる“個性”なんだ。
てか一応チーム戦なんだからちゃんと連携しようよ。
っと。
まだ冥怪はひとつしか使ってないから・・・。
零无「ハデス」
ユラ・・・ッ
轟「!
2つ・・・ッ!」
冥怪は三つの青い炎。
一つはさっき足元を溶かして使っちゃったけど、まだ二つ使える。
ケルベロス。
三つ首の番犬。
・・・要するに、地獄の業火。
一つを殴ろうとしてくる爆豪くんに、もう一つはもう一度私の足元を凍らせようとしてくる轟くんに向けて放った。