第2章 No.1 手始めの初めまして。
side:オールマイト
モニターに映し出されている神和少女を見る。
ビルに侵入して壁に触れて何かを考える素振りをしている。
・・・まさか本当に神和少女がブランク(白紙)を引くとは思ってなかった。
オール「(・・・筆記は堂々の満点1位、実技も両ポイントともトップでVや昨日こっそり見てた個性把握テストでは重力や風系の力を使っていたが・・・)」
蛙吹「大丈夫とは言ってたけど、本当に大丈夫なのかしら・・・。
零无ちゃん、ポーカーフェイスしてるみたいであまり感情らしい感情を出さない感じがするわ」
耳郎「だよね・・・。
“個性”魔法って言ってたけど、ちゃんと見た事無いし。・・・零无が怪我したらアイツら許さないかんね・・・!」
蛙吹「ケロ・・・響香ちゃん目が怖いわ」
私の隣で同じく神和少女を見守る耳郎少女と蛙吹少女が会話を交わす。
ふむ・・・神和少女の“個性”は魔法と言うのか・・・。
前もって見た映像だけで情報を得るにははさすがに限界がある。
魔法と言う名の通りに何でもかんでも出来るファンタジーな力なのだろうか・・・?
八百万「あっ、神和さんが・・・!」
常闇(とこやみ)「先程と同様に一瞬で凍らせた・・・」
ふむ・・・さすがは轟少年。
轟少年の後ろに居る爆豪少年と「核」が凍らないようにしている。
一度凍らされては炎熱で溶かすかどうにかして砕いて脱するしか方法が無いぞ・・・?
どうする、神和少女。
モニターの中の神和少女は何をするつもりなのか凍り付いた室内を一通り見渡した後、しゃがんでその氷に触れた。
零无『・・・・・・見つけた。
属性召喚・ハデス』
〝冥怪(ケルベロス)〟
・・・ユラ・・・
ジュッ・・・!
オール「!!!」
峰田(みねた)「うわっ、なんだあれ!?」
麗日「青い、炎かな・・・轟くんに凍らされてた足元だけ溶かした・・・!」
生徒達がザワつく。
ふむ、無理も無い。
神和少女が手のひらから青い炎を発炎させて凍らされていた足元だけを溶かしたのだから。
・・・これは、もしかするともしかするかもしれないぞ・・・!