第2章 No.1 手始めの初めまして。
[雄英高校・演習場ビル内]
5分経ったのを確認してから、Kチームが入って行ったビルの中に足を踏み入れる。
零无「・・・そんじゃ、まずは地形の確認をしますか。と」
とん
実技試験の時みたいに、ビルの壁に触れた。
全くもって、この力は使いやすい。
特に屋内とかだとくっきりイメージされる。
ポリゴンみたいにして私の頭の中にイメージされていく。
・・・5エリア、フロア形状は同じ造り・・・。
大体把握して、壁から離れて歩き始めた。
零无「・・・コンクリで5階建てのビルか。んでもって制限時間は15分・・・。
(2人とも確保テープでとっ捕まえるか「核」に触ればヒーロー側の勝ち・・・)」
まずは何より・・・。
その「核」を見つけないと。
ヒーロー側は私1人・・・虱潰(しらみつぶ)しに探してたら時間切れで私の負けになる。
だとすると・・・ここは重力か風で2人の居る場所を・・・。
・・・パキ・・・
零无「?」
パキ・・・ッ
零无「・・・!」
なんか冷気が漂ったと思ったら、瞬く間に部屋が凍り付いた。
うお、リアル冷凍庫。
冷蔵庫なんてレベルじゃないぞこれ。
当然、私の足元も凍った訳で。
・・・おいおい、私は極端に寒かったり熱いのは苦手なんだけどな。被服控除で防寒防熱機能あるのにしてもらった甲斐があったね。
零无「一瞬で凍らせるとか、すご。
(なるほど・・・これで一旦動きを止めといて、改めて確保テープで捕まえるって訳ね。
向こうも私の“個性”がどんなのか知らない訳だし・・・中々考えるね)」
凍らせる“個性”・・・轟くんかな。
爆豪くんは“個性”把握テストでめっちゃ爆発させてたし。
うー、やっぱ“個性”使わずに勝てるほど甘くはないか。
向こうも手加減してくるとは限らないし・・・このまま時間切れで負けるのも、すんなり捕まって負けるのも嫌だしなー。
零无「・・・いっちょ、やりますか」
くいっとフードを被って、私はしゃがんで凍り付いてる床に手を触れた。
さあ、始めようか。