第6章 No.5 ルールはルール。
[雄英高校・特設スタジアム廊下]
零无「お」
爆豪「あ゛?」
ばったり。
観覧席に戻る廊下にて。
爆豪くんと鉢合わせした。
・・・って。
あ、そっか。
零无「次爆豪くんが勝てば、準決勝で私と当たるのか」
爆豪「あ゛ぁ!?
優勝しか目に入ってねえってか?」
零无「いやそうじゃなくて。
私、こうやって誰かと競い合うの初めてだからさ。ついつい頭から抜けてたよ」
爆豪「は?
こんなん、小学とか中学にやってた運動会と同じだろ」
零无「へー・・・そーなんだ。
私、学校生活は高校で初めてだから解んないや」
爆豪「・・・はぁ?」
あからさまに、爆豪くんは怪訝な表情を浮かべた。
まあ、そりゃそうなるよね。
零无「まあ、諸事情って言うか“個性”事情により受ける必要無かったって感じかな」
爆豪「“個性”・・・?
ワケ解んねえよ。なんだそりゃ」
零无「んー・・・そだね。
爆豪くんがもし次の試合で切島くんに勝って、更に私に勝てたら私の“個性”について少し教えるよ」
爆豪「は?少しってなんだよナメてんのか。
テメェとの勝負に勝つのは少ししか価値は無えのかよ、全部吐けやマジョ女」
零无「えー・・・」
全部ときたか。
・・・んー・・・まあ、全部知ってる人がもう1人くらい居ても大丈夫か。
それに爆豪くんだしね。・・・うん。
零无「・・・解った。
それじゃ、もし私に勝ったんなら・・・私の“個性”について全部教えるよ」
爆豪「ハッ、最初からそう言っときゃ良いんだよ」
零无「言うねー。
まあ、取り敢えず切島くんに負けないようにねー」
爆豪「テメェに言われるまでもなく圧勝してやるよ」
んー、爆豪くんってなんて言うか・・・。
・・・性格で損しそう、って言うか損してるよね。
爆豪はそのまま入場ゲートに向かった。
・・・今更だけど、私の“個性”を全部知ってる人ってかなり限られてるよね。
しょーさんと根津さん。
あともう1人居るけど・・・あっちもあっちでプロヒーローで事務所持ちだからあんま会ってないな。
んー、体育祭終わったら会いに行ってみよ。