第6章 No.5 ルールはルール。
side:爆豪
どっちが勝っても俺と当たる。
その前にクソ髪が俺の相手だが、負ける気は更々無え。
影野郎の“個性”はまあ置いておいて。
問題はマジョ女だ。
爆豪「(あいつ・・・余裕ぶっこいて戦ってねえ。
ちゃんとその時出せる実力を出してる)」
俺と半分野郎の時とか、黒目の試合みてえに取り敢えずそのとき勝てるだけの戦い方じゃない。
この前の・・・“敵”連合の奴らと対峙してた時に近い。“敵”連合の時と違うのは、敵意の有無。
奴らにはキレてなかったみてえだけど。確かに危害を加えるつもりの敵意はあった。
・・・てか、マジョ女の奴って1-Aの中で・・・いやヘタすりゃ誰よりも感情を表に出さねえよな。
影野郎が麻痺してる隙に光ってる弓矢を出して、弦ギリギリまで引っ張ってすぐに撃った。
その矢がまだ痺れてる影野郎に当たった瞬間、俺の閃光弾(スタングレネード)の比じゃないくらいの閃光が会場に走った。
俺はとっさに目を瞑って、光が収まってから目を開けた。
・・・ハッ。
アガらせてくれんじゃねえか。
マイク『うおおぉぉおおお・・・!??
まだ視界が白黒だけどコリャ・・・!』
ミッド「常闇くん、場外!
三回戦進出、神和さん!!」
会場の半分が楕円状にボロボロになってやがる・・・。
場内には弓矢をぶっ放した張本人のマジョ女、そのマジョ女の前方・・・楕円状の先には場外の壁際で気絶してる影野郎がぶっ倒れていた。
・・・上等だ・・・。
耳郎「び・・・・・・っくりしたぁ・・・」
障子「目がクラクラするな・・・」
蛙吹「本当に凄いわね、零无ちゃん」
上鳴「電気系の“個性”持ってる俺でもビビったわ・・・。
つか、これ神和ってマジで無敵じゃね!?」
葉隠「てか、爆豪くんと切島くん控え室行かなくていーの?」
透明女に言われて、俺とした事がハッとした。
・・・クソッ、少しでも弱点無えか観察してたら終っちまっただと・・・!
それはクソ髪も同じだったみたいで、「あ、そーだな!」と声を上げた。
チッ・・・。
結局解らず終いかよ・・・。
素性とか“個性”とか、マジョ女の謎な部分多すぎだろ。
・・・・・・ムカつくし、イラつく。
俺は試合会場に向かった。