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彼女はキセキの特別 【黒子のバスケ】

第10章 少しずつ…


「へーへー。わかってますよ。」


そう言いながら、薄い黒いTシャツの下から手を入れ、ボリボリとお腹をかく兄。

今話しているのは私の兄。今、高校3年生で、虹村と同じ学年だった。バスケ部で、私がキセキの世代の人達と仲良くなれたのも、兄が私を紹介してからだった。


黒髪、色白、イケメン。この3つが揃っていて、黄瀬よりもモテている説があったほど。

虹村とも1番仲がよく、バスケも上手い。中学時代も青峰が勝てない相手だった。


でも、虹村が辞めたあと、兄もバスケ部を辞めた。理由は、雰囲気が悪くなったのと、虹村が辞めたから。という2つの理由。


「…」(こんなだらしないお兄ちゃん知ったら…女子はどんな顔をするんだろ…。)


外ではイケメン、キラキラのくせに、家だと、だらしがないこんな兄。


冷蔵庫を開け、牛乳をコップに入れるとそのまま牛乳を一気飲みする。


「はぁ…うまっ…。」

「コラ、冷蔵庫開けっぱなしにしないで。牛乳もしまって。」

「へーへー。」

「へーへーじゃなくて、はい、でしょ?」

「はーい。」

「はぁ…。」


母が呆れている。


私の家族構成は、父、母、兄、の3人。


父(雅之)はアメリカでバスケの監督をしつつ、アメリカのコンピューター会社に勤めている。


母(香苗)は専業主婦で、私と兄の世話をしている。


兄(俊太)は高校3年生で、外ではキラキライケメン、家だとだらだら男子。
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