第10章 少しずつ…
それから、次の日…。
「…ん…。」
いつも鳴り響く嫌な音が聞こえない日曜日って好きだ。
嫌な音、というのは目覚まし時計の音で……。
「…」
寝ぐせがボサボサのまま、ベッドから起きあがる。
勉強机の上には、昨日の海常との練習試合の記録などが細かくまとめられていた。
クリップボードに挟まれた紙とノート、シャーペンや色ペンなどが置かれていた。
「…そっか…昨日…。」
記録をしていて、気づいたらAM0:00で、眠すぎて寝た。
「…」
そのノートの隣には、帝光中の時に使っていたノート。
枚数が多いページで、2冊あるそのノート。
1年の頃から使っているものと、2年の後半くらいになって買ったもの。
「…はぁ…。」
そのノートを指で触ったあと、着替える。そのあと、カーテンを開け、シーツを直し、1階のリビングへ行く。
「おはよう。」
「あら、おはよう!今日は部活ないの?」
「うん、昨日、練習試合だったから。」
「あ、そうそう!どうだった!?あのあと、すぐに部屋に入っちゃうから…。」
「あ…うん。勝ったよ、ギリギリね。100対98。」
「へぇ…。中学の時はもっと点数高くなかったかしら?」
「…そう…だったっけ…?」
「え?覚えてないの?うーん……。」
母が何やら考えていた。
「何話してんの?」
「あら、おはよう俊太。」
「はよ…ふわぁっ…日曜なのに、早いんだね、かーさん。」
「あなたが遅いのよ、もう9時よ?」