第9章 絶体絶命!?
「僕もこの前までそう思っていました。だから何がいけないかは、まだはっきりわからないです。ただ…僕はあの頃、バスケが嫌いだった。」
「…」
「ボールの感触、バッシュのスキール音、ネットをくぐる音。ただ好きで始めたバスケなのに…。だから火神君に会って、ホントに凄いと思いました。心の底からバスケットが好きで、ちょっと怖い時や腐った時もあったみたいだけど、全部、人一倍、バスケに対して、真剣だからだと思います。」
「わかんねッスわ…。けど1つ言えるのは、黒子っちが火神を買う理由がバスケへの姿勢だとしたら…黒子っちと火神は、いつか、決別するッスよ。」
ニヤリと笑みを浮かべる黄瀬。
「俺と4人との決定的な違い、それは身体能力なんかじゃなく、誰にも、俺にも真似できない才能を、それぞれ持ってるってことッス。今日の試合でわかったんス。アイツはまだ発展途上。そしてキセキの世代と同じ、オンリーワンの才能を秘めてる。今は、未完成な挑戦者ッス。ただがむしゃらにプレイして、強敵と戦うことを楽しんでるだけのね。けど、いつか必ず、キセキの世代と同格に成長して、チームから浮いた存在になる。その時火神は、今と変わらないでいられるんスかね。」
「…」
すると……。
「テメェ、何フラフラ消えてんだよ。」
黒子にどつく火神。
そして、黄瀬を見た。
「よぉ。」
すると、ニヤリと笑みを浮かべる黄瀬。
「聞いてたんスか。」
「聞いてたじゃねーよ。お前何いきなり黒子達拉致ってんの?」