第9章 絶体絶命!?
「…もう充分。」
「…え…?」
「凄くカッコよかった。」
「で、でも…俺…負け」
「勝つことが全てじゃない。」
「…全てじゃ…ない…?」
「そう。帝光中のバスケでは、勝つことが全てだったかもしれない。でも、今は帝光中にいないよ?」
「!…」
「…勝つことも当然大事。でも、それ以上に大事なものがある。チームワークが上手くいってない状態で、勝ったって…そんなの…嬉しくなんかない。」
「…確かに…そう…ッスね。」
微笑むけど、その笑顔はきっと、作り笑い。
「…涼太、作り笑い下手すぎ。」
「!…っぅ…ズルい…ッス…。そんな時ばっか…名前…。」
また目に涙をためた。
「…変わってくれたから。」
「え…?」
「…今度から涼太。って呼ぶよ。じゃあ」
「待つのだよ。」