第9章 絶体絶命!?
『!…』
2人は目を見開き、私を見つめた。その2人から顔をそむけ、黄瀬に向き直る。
「お疲れ様、黄瀬君。」
「菜月…っち…俺…俺…っ…。」
「…ん。」
背伸びをして頭を撫でる。
「!…//////菜月」
「のっろけ!」
言葉をさえぎり、黄瀬の腰めがけて笠松が蹴る。
「!…」
「どぅわぁ…いってぇ!」
「メソメソしてんじゃねーよ。つか、今まで負けたことがねぇって方がなめてんだよ、しばくぞ!」
すると、また目に涙をためた。私は誠凛の方へ戻っていった。
「そのスッカスカの辞書にちゃんとリベンジって単語、追加しとけ!」
すると、頷き、うっすら笑った。
笛が鳴り、審判が声をかける。
「整列!100対98で誠凛高校の勝ち!」
『ありがとうございました!!』
手を握る主将2人。海常監督のオーラが怖い。
「地区違うから、次やるとしたら、インターハイ本番ッスね。」
「絶対行きます。全裸で告るの嫌だし。」
ウチの監督はニコニコ笑顔。
「あはっ!」
「おし、行くぞ!」
『はいっ!!』
「おい、黄瀬は?」
「…監督、菜月さんもいません。」
「はあ!?」
『嘘だろ!?』
その頃、私は……。
「…お疲れ様。」
「!…」
水道の水を頭からかぶっていた黄瀬に声をかけていた。
「…菜月っち…。」
「…凄かったね、試合。」
「……でも…負けちゃったッス…。せっかく……カッコイイとこ…見せようと思ったのに…。」