第9章 絶体絶命!?
「うよっしゃあああっ!!!」
火神がガッツポーズをつくって叫ぶ。
ベンチにいた皆もコートに走っていく。監督も親指をたててGood!
「はは…嬉しいとおり越して信じらんねぇ…。」
伊月、水戸部、日向も親指をたてる。
「はぁ…はぁ…はぁ…。」
息が荒くなっていく黒子。
「お疲れ様。」
「!…菜月さん…。」
私はタオルを黒子の頭にかぶせると、コートから避け、座らせる。
「あ、ありがとうございます…。」
「…無理しすぎ。」
「…すみません…。」
「…でも、お疲れ様。おめでとう。」
私は微笑む。
「!…/////あ…りがと…ございます……。」
「はぁ…。」
笠松が腰に手をあて、ため息をつく。
「負け…たんスか…。」
すると、目から涙がこぼれ落ちる黄瀬。
「あれ…あれ…。」
「黄瀬、泣いてね?」
「いや、悔しいはわかるけど、練習試合だから、たかが。」
手で拭っても拭ってもこぼれ落ちる涙。
「…っ…ゴメン、テツ君。」
「えっ…?」
私は黄瀬に駆けよる。
「お疲れ様、黄瀬君。」
「!…」
「あれ…誠凛のマネージャー?」
「美人じゃね?」
「…たかが練習試合でも、必死にやってきたバスケで負けて、悔しくない奴なんかいない。見てるだけの観客にそんな事言う権利、ある?」
私は2階にいた男子2人にそう言った。
「っ…!」
「そ、それは…。」
「…黄瀬君に勝てないくせに、そんな事よく言えるよね。」