第9章 絶体絶命!?
「僕が出て戦況を変えられるなら、お願いします。」
「…」
「それに、約束しました。火神君の影になる、と。」
「…わかったわ。ただし、ちょっとでも危ないと思ったら、すぐに交代します。」
笛が鳴り、選手交代。小金井と交代した黒子。
私は黒子の肩を軽く叩いた。
「!…」
「…頑張れ。」
「!…はいっ!」
微笑む黒子。
「…」
「…」
「いくぜ。」
「はい。」
黄瀬が黒子を見つめる。私は、誠凛側のゴールリングの近くに立っていた。
そして、試合は進んでいく。どんどん縮まる点差。
80対82
日向が3Pをいれ、誠凛が追いつく。
「黄瀬ぇ!!」
笠松のパスで、黄瀬にパスがいく。
「黒子!」
「!…」
黒子が黄瀬のパスをとろうとした。でも……。
右手から左手にボールをついて持ちかえた黄瀬。
「!…」
「あ…!」
そして、誠凛のゴールリングに向かってダンクを決める。
「!…」
黄色い髪がふわりと揺れる。汗が垂れた。危うく、クリップボードを落としそうになった。
ボールが床につく。
「俺は負けねぇッスよ、誰にも。黒子っちにも。」
「やっべぇな…。全員気入れろ。こっから試合終了まで第1クォーターと同じ、点の取り合い。ランガン勝負だ!ディフェンス急げ!」
「日向君急いで!水戸部君、ポスト走る!」
「火神!」
「いけいけ!」
「何やってんだ!戻り遅いだろうが!!」
それからも試合は進んでいき……。
91対93。