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彼女はキセキの特別 【黒子のバスケ】

第1章 中学時代


「はっ…。出ねぇよ。」


鼻で笑うと、私の腕を掴んだ。


「!…な…何…?手…ぬ、濡れちゃうよ…?」


スポドリを作っている最中だったから、水道水で手が濡れてしまう。というか、早くその腕を離してほしい。


「別にいい。それより菜月、俺と今から遊びに行こうぜ?」

「!…ご…ゴメン…そ、それは…できない…。」

「…なんで?」

「!…」


私を睨みつけるその顔と、その声が……大の苦手。

怖くて……逃げられない…。


水道の水だけが止まらずに出続けている。


「ぶ…部活中…だから…。」

「あ?そんなの俺の知ったことじゃねーよ。俺はお前と遊びたいって、わざわざ誘ってやってんだぜ?」

「…ご、ゴメンね…?」(顔が…見れない…。)

「俺の誘いを断るんだ?」


腕を握っていた手に力が入った。


「っ…!」

「なぁ、菜月、行くよな?」


私の顎を片方の手で掴み、グイッ…と無理やり視線を合わせる。


「!…」


驚くくらい私を見つめている。


「何してんだよ、灰崎。」

「!…」

「…んだよ大輝。」

「だ、大輝…。」

「…へぇ…。俺のことは苗字呼び、しかも君付けなのに、大輝のことは呼び捨て?」

「!…」


すると、掴まれていた腕をひかれ、顔を近づけられた。唇が触れそうな距離。


「っ…!」(怖…い…。)


ギュッ…と目をつぶった。声も出せないくらい、震えてしまった。
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