第1章 中学時代
心臓がバクン…とはね上がる。でも、その心臓のはね方は好きじゃない。
この人しか……この心臓のはね方はしないから。
「は…灰崎君…。」
「頑張ってんねー。」
虹村が部活を辞めてから、灰崎はいつも通り、部活をサボり、誰も灰崎に文句を言えなくなっていた。赤司達は何も言ってない。視界に入っていない…みたい…。
私は灰崎が嫌いだ。この人の顔を見ると、吐き気がする。
人を嫌うことはあまりないと思っていたけど、この人だけは…嫌い。
「…どう…したの…?」
上手く笑えているかわからない。
この人は…バスケをなんとも思っていないから…。
「別にー。」
頑張っている人を笑うから。
「そ、そうなんだ……部活出ないの…?」
嫌い。