第9章 絶体絶命!?
黄瀬が驚きながらも気まずそうな声をあげる。
よろけながらも立ち上がる黒子。
「大丈夫か?黒子。」
「フラフラします…。」
「救急箱、持ってきて!」
日向が黒子の顔を確認する。
「大丈夫かよ。」
「大丈夫です。まだまだ試合はこれからで…しょ…。」
倒れる黒子。
「黒子ぉ!!」
ベンチに黒子を寝かせる。
「どうする?」
「黒子君はもう出せないわ。残りのメンバーでやれることをやるしかないでしょう。」
「やれることって…。」
「黒子いねぇときつくね?」
「オフェンスは2年生主体でいこう。まだ第2クォーターだけど、離されるわけにはいかないわ。早いけど勝負どころよ日向君。」
「ああ。」
「黄瀬君に返されるから、火神君はオフェンス禁止。ディフェンスに専念して。全神経を注いで、黄瀬君の得点を少しでも抑えて。」
「そんな…っ…!それで大丈夫なんですか!?」
「大丈夫だって、ちっとは信じろ。」
「でも…!」
すると、日向がニコニコ笑顔になり……。
「大丈夫だっつってんだろダホ、たまには先輩の言う事聞けや、殺すぞ。」
「!…」(こ、この人…笑顔で何てこと言うんだ…。)
「ったく…今時の1年はどいっつもこいっつも、もっと敬え、先輩を!そしてひれ伏せ!!」
「スイッチ入って本音もれてるよ、キャプテン!気にすんな。クラッチタイムはああなんの。」
「え…。」
「とりあえず、本音もれてる間は、そうそうシュート落とさねぇから、オフェンスは任せて、お前はディフェンス、死に物狂いでいけ。」