第8章 練習試合と一歩動いて…
「けど、黒子君と火神君、2人の連携が大事よ、これ。できる?」
「ん…まぁ…なん…つーか…。」
すると、黒子が火神の脇腹にチョップをいれる。
音が……。
「ふぎゃっ!?テメ…何…いきなり…っ…。」
「黄瀬君を倒すんでしょ。」
「……ったりめぇだ。」
そう言い、火神も黒子の脇腹にチョップをいれる。
「い、痛そ…。」
「…菜月。」
「!…何?」
「…ん。」
「…?」(いきなり背中を向けられても……。)
火神が私の名前を呼び、いきなり背中を向けた。
「殴ってくれ。」
「え…!?」
「ほら。」
「な、殴る…って…。」
「紅葉。」
「…はぁ…。」
火神の背中に右手をあてた。
「……頑張れ、火神。」
「!…」
バンッ!!
「っい゛っ゛!!」
火神が声にならない叫びをあげる。
「さ、サンキュ…。」
「うん。」
「そ、それと…今…君…付けなかっ」
「行きますよ、火神君。」
「お、おう…。」
「…」
「…」
フイッ…と、またそらされる視線。
「うぅ…。」
「んじゃ、行ってくるわ。」
火神が私の頭をクシャッ…と撫でる。
「!…」(この…感触…感覚……。大輝にそっくり…。)
「んじゃまあ、逆襲よろしく!」
再び始まった試合。
『おーせおせおせおせおせ海常!』
「いけ~!」
「おせ~!」
『いけおせ誠凛!』
ダンクを決める黄瀬。
シュートを決める日向。
再びシュートを決める黄瀬。
29対39。