第8章 練習試合と一歩動いて…
火神が黒子へパスを出すが、森山に止められてしまう。
そして、シュートを決められる。
「なるほど、少しずつ慣れてきたかも。」
25対33
「まずいな…。」
「どうする?伊月。」
「クッソ…ジワジワ点差が開く…。」
火神がダンクを決めようとしても、黄瀬に防がれる。
笛が鳴った。
「アウトオブバウンズ、白ボール。」
「火神君のジャンプ力…落ちてるわね…。」
「いえ、違います。」
「え…?」
私は監督に言った。
「確かに、火神君のジャンプ力は落ちています。でも…それ以上に…黄瀬君が…進化し続けている…。」(このままじゃ…何もできないまま試合は進んでいくばかり…。)
「はぁ…はぁ…。」
「そろそろ認めたらどうッスか?今の君じゃ、キセキの世代に挑むとか、10年早いッスわ。」
「んだと?」
「この試合、もう点差が開くことはあっても、縮まることはないッス。チームとしてのフォーメーションや戦力以前に、まずバスケは体格。つまり、サイズのスポーツ。君ら誠凛とウチとじゃ、5人のスペックが違いすぎる。唯一対抗できる可能性があったのは君ッスけど、大体実力はわかったッス。」
黄瀬の瞳の中に映った火神の顔が強ばる。
「ポテンシャルは認めるけど、俺には遠く及ばない。君がどんな技をやろうと、見れば俺はすぐに倍返しできる。どうあがいても俺には勝てねぇッスよ。ま、現実は甘くないってことッスよ。」