第1章 中学時代
「黄瀬涼太君、連れてきました。」
1軍の練習している体育館に戻り、私は体育館に向かってそう言う。すると、全員が練習をストップして、赤司のかけ声でこちらに集まってくる。
「今日から1軍に入ってもらった黄瀬だ。」
赤司が手短に紹介をすると、黄瀬は頭をさげて……。
「よろしくお願いします!!」
「じゃあ、皆、練習に戻ってくれ。」
赤司の指示で、また皆が練習に戻る。
「黒子、黄瀬の教育係はお前に任せるよ。」
赤司が黒子にそう言っていた。私はまた、マネージャーの仕事に戻る。
「…」(部活終了まで…あと1時間か…。)
そう思い、私は水道へ向かう。
「大変…。」
苦笑いを浮かべながら、そう呟く。いつも、粉でスポドリを作っている。
スポドリの粉を入れ、水道水を入れてその水筒を振れば完成。
ペットボトルから水筒に移すのでもいいけど、お金がかかるらしい…。
1軍だけで20人はいる。スポドリの粉を入れ…という作業でも、大変。それなのに水を入れて振る…なんて…。
重労働。
それでも楽しくて、辞めようだなんて考えたことはない。さつきは、タオルを他の人に運んだりしている。
他にもマネージャーはいるけど、さつきや私よりは仕事をしていないと思う。ほとんど、キセキの世代目当てでマネージャーになる人がいるから。
「…あと…ちょ…っと…。」(腕痛い……。)
「あれ?菜月じゃねーか。」
「!…」