第8章 練習試合と一歩動いて…
そして……。
「それでは、これから誠凛高校対海常高校の練習試合を始めます。」
「おーっしいくぞ!!」
『オッス!』
「お、お?あ、あの…始めるんで、誠凛早く、5人整列してください。」
「あの…。」
「ん?」
「います5人。」
『ぬわっ!?』
皆が驚いた。
「何だ?」
「うっすいなぁ…影…。」
「あんなんがスタメン…?」
「目の前にいて気づかなかったし…。」
「笠松は?」
「あ、あぁ…俺も全然。」
「話にならんなぁ…。大口たたくから、もう少しまともな選手が出てくるかと思ったんだが…。」
「どうですかね…。」
「ん?」
「まぁ確かに、まともじゃないかもしれないッスね。」
始まった練習試合。
監督が何かヤバそうな顔をしている。
「…」(…そりゃ…一筋縄じゃ…いくわけない…。黄瀬君が出てなくても、彼らは皆、強い…。)
コート全体を見渡し、私はクリップボードに挟んである紙にそれぞれの背番号と名前を書いて、得意な技、苦手なものなどを書いていった。
始まった練習試合。ジャンプボールで海常が先にボールをとった。
すると、いきなり黒子が笠松のついていたボールをとり、ゴールへ向かってドリブルをしていく。
すぐに追いつく笠松。でも、火神にパスを出し、火神がダンクを決める。
『!…』
海常の皆は驚いている。
「か、監督…ヤバッ…。」
「え?」
私が焦り、そう言うと、監督は満足そうな笑みを疑問の表情に変える。でも、その理由はすぐにわかる。