第8章 練習試合と一歩動いて…
「だから、黒子っちにあそこまで言わせる君には、ちょっと興味あるんス。」
私を離すと、火神の方に歩いていきながら話した黄瀬。
「キセキの世代とかって言う呼び名に別にこだわりとかはないッスけど、あんだけはっきり喧嘩売られちゃぁね…。俺もそこまで人間出来てないんで…。悪いけど、本気でぶっ潰すッスよ?」
「フッ…面白ぇ…。」
火神も鼻で笑い、そう言った。
「じゃあ、ウチが勝ったら、海常においでよ、菜月っち。」
「!…」
「俺、中学の時よりも、進化してるっしょ?」
「……確かに、黄瀬君は進化していて…強くなってる…。でも……その…っ…。」
言葉に困り、私は俯いてしまった。
「フッ…ははっ!そ~んなに困った顔しないでよ。そんな表情も可愛いッスけど。」
また私のところへ歩いてきて、頬をひとさし指の裏で撫でた。
「!…」
「な~んにも心配することないッスよ。つーか、もったいないッスよ。また俺のバスケ見てよ。一緒に…俺と一緒に日本一にな」
「お断りします。」
「…えぇっ!?さ、最後まで言わせてくれないんスか!?」
「…何度も言うようですが…テツ君と約束しましたから。私は、このチームで日本一を目指します。」
「敬語だしぃ…。」
半泣きの黄瀬。
「…お互い、試合、頑張ろうね。」
「…負けないッスよ!」
パアーッ!と黄瀬の顔が明るくなった。
「つか、んでそんなに菜月にこだわ」
「ああもう!時間なくなっちゃうでしょうが!!」