第7章 黄色い髪の彼
すると、こちらに向かって歩いてきた。
「やっぱ、黒子っちください。」
『!?…』
「ウチにおいでよ。また一緒にバスケやろ?」
皆がまだ驚く。
「マジな話、黒子っちのことは尊敬してるんスよ。こんなところじゃ宝の持ち腐れだって。ね?どうスか?」
「そんなふうに言ってもらえるのは光栄です。丁重にお断りさせていただきます。」
「文脈おかしくね!?そもそもらしくねぇッスよ。勝つことが全てだったじゃん!なんでもっと強いとこ行かないんスか。」
「あの時から考えが変わったんです。何より火神君と…菜月さんと約束しました。君達を、キセキの世代を倒すと。」
「やっぱらしくねぇッスよ。そんな冗談言うなんて。」
「フッ…ははっ…。ったく、なんだよ黒子。俺のセリフとんじゃねーよ。」
黄瀬が火神の方を見た。
「冗談苦手なのは変わってません。本気です。」
「!…フッ…。」
すると、今度は私の方へ向かって歩いてきた。クリップボードに挟んであった新しい紙に、さっきの結果を書いた。
[火神君は黄瀬君のボールに触ることはできたが、止めることはできなかった。ジャンプ力は十分にある。]
そこでシャーペンを走らせるのをやめた。
「!…」
影が映って、紙が暗くなったからだった。
「じゃあ、ウチにおいでよ、菜月っち。」
「!…」
「黒子っちに、断られちゃったから。」
屈託のない笑みを浮かべた黄瀬。