第7章 黄色い髪の彼
すると、バスケットボールが黄瀬めがけてとんできた。それを左手で止める黄瀬。
「ったぁ…。ちょっ…何?」
「火神!」
「火神君!」
「せっかくの再会中悪ぃな。けど、わざわざ来て挨拶だけはねーだろ。ちょっと相手してくれよ、イケメン君。」
「えー、そんな急に言われても…。あぁ……でもさっき……。うん、よし、やろっか!良いもん見せてくれたお礼。」
火神にボールを返した黄瀬。
「ったくもう…。」
「まずいかもしれません…。」
「ひっ…!」
私は黒子の横に立った。
「…火神君……負ける…よね…。」
「……残念ですが…。」
「え…?」
監督が私の方を見てそう言った。
「…今の火神君じゃ、黄瀬君を止めることは不可能です。」
私がそう言うと、2人を見つめた監督。
「!…」
さっきの火神が伊月を抜いた技を黄瀬が繰り出す。
監督も皆も驚いていた。
「…やっぱり…。」
私は呟いた。
黄瀬はダンクを決める。火神は止められず、尻もちをついた。
「…これがキセキの世代…。黒子、お前の友達凄すぎね?」
「あんな人知りません…。正直さっきまで、僕も甘いことを考えていました。でも数ヶ月会ってないだけなのに、予想を超える早さで、キセキの世代は進化してる。」
すると、黄瀬が後頭部に手をあてた。
「う~ん……これはちょっとなぁ…。」
「んぁ?」
「こんな拍子抜けじゃ、やっぱ挨拶だけじゃ帰れねぇッスわ。」