第6章 お昼での小さな幸せ
「昼だぁぁ!!」
1時限目、2時限目、と…授業が進んでいき、12時になり、お昼となった。
「屋上で食べ……あー…屋上、立ち入り禁止になっちゃったんだっけ……。」
「あ…そうでした。」
目標を叫んでから、立ち入り禁止になってしまった。
「教室で食べよう。」
「そうですね。」
「…テツ君も一緒に食べるの?」
「はい。…ダメ…でしたか…?」
「!…ううん…!ダメじゃない…。」
机をくっつけ、一緒にご飯を食べることにした。黒子の前の席が火神だったから、火神も一緒にご飯を食べることに…。
「…んで俺まで…。」
「…凄い量ですね、火神君。」
「人の話聞けよ。…つか、よくお前らその量で足りるよな…。胃袋どうなってんだ。」
「僕はこれで普通です。菜月さんの方が心配です…。」
「え…?」
黒子はサンドイッチ。3個入り。火神は焼きそばパン5つにその他の菓子パン8個。
私は……というと……野菜ジュース1本。
「これ食え。」
「い、いらない…。」
断ったけど、机の上に乗せられたメロンパン。
「菜月さんは、中学の頃から小食でしたよね。」
「…うん。あまり…お腹空かない…。」
「倒れちまうぞ?いつか。」
「倒れないよ。……返す…。」
「却下。」
「うっ…。」
慣れない手つきで、パンの袋を開ける。
「…」(…パン…自分から食べるのなんて…何年ぶりだろ…。)
中学の時も学食では頼まなかった。