第1章 中学時代
喉を鳴らして、勢いよくスポドリを流しこむ。
それから、しばらく経ったある日のこと。
「そうだ、テツ、紹介するぜ。ウチのマネージャーの菜月。」
青峰が黒子に私を紹介した。
「!…は、初めまして。」
「初めまして。」
私は微笑んだ。
「テツもすぐに菜月に惚れるんだろうなぁ、ククッ!」
「大輝、何それ!」
「いや、だってお前、ホントに絡みやすいし、一緒にいて楽だからさ。」
ニカッ!と笑うと、座ったまま腕をのばし、私の頭をまた撫でる。
その姿に、ドキッ…とする。
「ちょっと峰ちん、気安く触らないでよね~。」
背後から声が聞こえたと思い、振り向こうとした時にはもう後ろから抱きしめられていた。
声で分かった。
「あ、あっくん…!」
「なつちん、お菓子は?」
「きょ、今日は持ってないよ…飴しか。」
「じゃあ飴でいい~。」
「は、離して…。」
「ん~?やだー。」
「あっくん…。」
「こら、紫原、菜月が困っているだろう、離してやれ。」
「赤ちん。」
いつの間にか、みんなが集まってきた。
「そうだ、菜月。頼みがあるんだが。」
「ん?どうしたの?征君。」
「2軍に、黄瀬涼太、という人物がいる。金髪だからすぐにわかると思うけど、1軍に連れてきてもらいたい。」
「あ、うん。わかった。行ってくるね、あ、あっくん…。」
「ん……。しょうがないなぁ…。」
と、解放された体。
「じゃ、じゃあ、行ってきます…。」