第1章 中学時代
「征君、お疲れ様。」
そう言い、スポドリとタオルを渡す。
「あぁ、ありがとう。」
汗だくで疲れきっていると思うのに、私に微笑んでくれた。
「うん。あ、真ちゃん。さっきのシュート凄かったね!はいタオル、お疲れ様。」
「あ、あぁ…。」
タオルを受け取り、汗を拭く2人。
「スポドリ、ここ置いておくね。あ、大輝!」
「ん?おっ!菜月!」
疲れているはずなのに、走って駆けよってくる青峰。
「お疲れ様、今日も輝いてるね。」
「それ、褒めてんのかよ。」
私の頭をクシャッ…!と撫でる。
「これ、スポドリとタオル。ちゃんと汗拭かないと風邪ひいちゃうよ?」
「お前は母親かよ、ははっ!サンキュ。」
「いいな~、菜月。」
「桃井…。」
「さつきって呼んで!」
「…さ、さつき…?」
「はいっ!」
さつきはご機嫌。
そして、2年生になった。虹村が家の事情でバスケ部を辞めたあと、赤司が主将、緑間が副主将になった。
『お願いしますっ!!』
1軍の練習が始まった。
「黒子君、連れてきました。」
さつきが黒子君、という人を連れてきた。
水色の頭をした、身長の低い色白の子。
それから……。
「菜月~!スポドリなくなった~!」
「え!?こ、濃かった?」
「いや?んなことねーけど、疲れちまって。」
青峰が言った。私は新しいスポドリを渡した。
「おうっ、サンキュ!」