第5章 誠凛高校、バスケットボール部!
それからも、2人は話をして…ようやく、2人の1on1が始まった……のだけれど…。
「あ…。」
「は!?」
あまりの出来なさに、火神は黒子を見て呆れている。
「ふざけんなよテメェ…。話聞いてたか!?どう自分を過大評価してたら、俺に勝てると思ったんだ、おい!すーげぇいい感じに挑んできやがって…。」
「まさか…。火神君の方が強いに決まってるじゃないですか。やる前からわかってました。」
すると、火神が黒子の胸ぐらを掴んで引きよせた。
「喧嘩売ってんのか、おい!どういうつもりだ。」
「!…火神君の強さを直に見たかったからです。」
「はぁ?…ったく…どうかしてたぜ俺も。ただ匂いもしねぇほど弱いだけかよ。」
「あの…。」
「あぁ、もういいよ。弱ぇ奴に興味ねーから。」
そう言い、カバンを腰を曲げてとった火神。
「最後に1つ忠告してやる。お前、バスケ辞めた方がいいよ。努力だのなんだの、どんなきれいごと言っても、世の中に才能ってのは、厳然としてある。お前に、バスケの才能はねぇ。」
そう言い、黒子から顔をそむけた時だった。
「それは嫌です。」
黒子が言った。
「!…テツ…君…。」
「あ?」
「まず僕、バスケ好きなんで。それから、見解の相違です。僕は強いとか弱いとかどうでもいいです。」
「なんだと?」
「僕は君とは違う。」
その言葉を聞いた瞬間、私は…黒子に、ついてきて正解だと思った。
彼は…彼らみたいに変わったりなんかしなかった。