第23章 嫌な予感
「アイツは…。」
「知ってんのか?」
「確か…無冠の五将とか言われている木吉と同格の選手だ。」
「そんな奴が…なんで今頃…。」
「わからない…ただ…良い噂を聞かない奴だ。」
花宮が加わって試合が再開された。ボールは花宮の手にある。すると、花宮はいきなりゴール下にいる選手にパスを出してその選手がゴールにシュートを入れた。
ピーーッ!!
『わあああっ!!』
ただ、至って普通のプレイだった。
花宮は木吉の脚を見つめていた。すると、花宮は木吉の脚から視線を外し、手を叩いた。
「さあディフェンス!とにかく1本止めましょう!諦めなければチャンスは来ます!意地見せましょう!」
まるで偽っているようだった。演じているような…そんな感じ。
「おぉっ!」
木吉が伊月へパスを出した。そして木吉が走り、また伊月が木吉にボールを戻した。そして小金井へボールが渡り、シュートを打った。
「あっ!」
ただ小金井はそのシュートを外してしまった。でも問題はその後だった。木吉がそのボールをジャンプして取ったものの、相手選手が木吉の負傷している方の脚に自分の脚を乗せ、体重をかけた。
「よし、木吉」
伊月がボールを受け取ろうとした時だった。木吉が脚を押さえ、その場に倒れてしまった。