第23章 嫌な予感
ピピーーッ!!
「木吉!!」
「ぐっ…あああああっ!!」
『!…』
「鉄平!!」
「あれ?どうしたんだろう、大丈夫かな。」
わざとらしくそう言う花宮の胸ぐらを掴む日向。
「何言ってんだ!今リバウンドのタイミング明らかに遅かったろ!それに見てたぞ、お前なんか合図出してたな!」
「日向?」
「おいおい、まさかわざとやったっていうのかよ。そこまで言うならなんか証拠でもあんだろうな?」
「くっ…!!」
「日向やめろ!」
怒りの表情を隠せない日向に対して、木吉が言った。
「!…」
「大したことない、大丈夫だ。すぐ戻る。」
「木吉!」
担架で運ばれる木吉に駆け寄る日向。
「ほら、本人もああ言ってるぜ。」
「っ…くっそ…ぜってぇ勝つぞ!!」
試合終了。84対83。一気に点差が縮まってしまった。でも勝った。
「はぁ…はぁ…。」
「勝った…けど…。」
「ちぇっ…やっぱダメだったか。お前が怪我しなくて良かったなぁ?眼鏡君。」
「!…っ…!」
「日向!」
花宮のところへ向かおうとする日向を止めた伊月。
「とっとと整列して、早く木吉のところへ行こう。」
「っ…。」
それから……。
「木吉!」
「みんな!」
「試合はどうだった?」
「勝ったよ。」
「おぉ!やったな!これで」
「いいから。」
「!…」
「怪我はどうなんだ?」
「…いや…すまん……それが……全然大したことなかったわ。捻挫みてぇなもんだと!」
「なっ…なんだよ…ビックリさせやがって…。」