第23章 嫌な予感
私は自然と微笑んでいた。
「そういえば菜月。」
「…?」
「佐野先輩は、いったいどこへ行っているのだよ。」
「アメリカ。お父さんの所で本格的にバスケするんだって。」
「…そうか。ならお前は今、香苗さんと2人で暮らしているのか。」
「ううん、お母さんもしばらく帰ってきてないんだ…。」
「…そうか。」
母はアメリカへ行けばいつ帰ってくるのかわからない。アメリカで父の仕事を手伝っていたりなど、帰国が難しくなる時が多々ある。
「まあ中学の頃もよくあったし、仕方ないよ。」
中学の頃は、まだ兄がいた。
「…その…。」
「…?」
「まぁ…無理はするな……俺でよければ……その…いつでも…行ってやるのだよ…。」
「…え?」
「っ…////////」
「し、真君、顔真っ赤。」
「うるさい黙れ!///////」
「ねぇ、なんて言ったの?もう1回!」
私はついからかってしまった。
「うるさいのだよ菜月、黙れ!///////」