第23章 嫌な予感
「いただきます。」
「…お前の次の対戦相手は、霧崎第一なのだよ。」
「…うん。知ってる。花宮真さん…でしょ?」
「あぁ。アイツには気をつけるのだよ。」
「……なんか、凄く嫌な予感がするんだ……木吉先輩は、必ず試合に出る…でもそうしたら、膝に負担が…凄いかかるから…。」
「…あのフリースローの場面、ずっと引っかかっていたのだよ。あの男が外すはずがない、と。」
「…」
「…」
沈黙が続いてしまう。
「…真君は」
あることを聞こうとした時だった。机の上に置いてあったスマホが振動した。
「…?」
電話だった。
「…」
「出ないのか?」
「…うん。」
「誰なのだよ。」
「…青峰君。」
「…」
怖くて出たくなかった。
「…私ね、中学時代、青峰君が1番好きだったの。」
「!…」
「バスケをしている青峰君見てると、こっちまで楽しくなってきて、彼が1番バスケが好きだった。でも今じゃ、苦手…。」
「…お前の言い分は…わからなくもないのだよ。」
「えっ?」
「…1人で…戦わずとも、チームがいるのだよ…。」
「!…」
「…」
緑間はそう言ったのが恥ずかしくなったのか、食べるペースを早めた。