第22章 リベンジ
「!…」
『リバウンド!!』
それぞれの監督が声を張り上げた。
「っ…お願いっ!!」
私はただ祈るしかなかった。
「よぉし大坪!」
『!…』
「っ…大我君!!」
「!…」
私の声に応えるかのように、ボールを取った火神。
「なにっ!?」
「火神!!」
「うおおおっ!!」
「うおおおおおっ!!」
それぞれのエースと一騎打ち。
『うおおおおおっ!!』
ビーーーッ!!
ブザーが鳴った。
「!…どう…てん……てことは…延長戦?でも…今回の大会って…。」
時間短縮のため、延長戦は無し。ってことは……。
「引き分け…?」
木吉の表情は晴れない。その時だった。
「木吉ぃ!!」
皆が木吉の元へ集まってきた。そして、片手をあげ、木吉にぶつかった。
「っ…きっついな…正直そこまで責められると思ってなかったわ…。」
木吉は尻もちをついてしまった。
「責める?ハイタッチじゃねぇの?」
「え?」
「何シケたツラしてんだ、だぁほ。お前がいたからここまで来られたんだろうが。」
「手を抜いたわけじゃない。誰のミスでもないだろ。」
「つうか、負けたわけじゃねぇし。」
「精一杯やった結果です、何1つ不満はありません。」
「…あぁ、そうだな。」
皆が微笑んだ。
「火神、まさかこれで満足したわけじゃないだろうな?」
「んなわけねぇだろ。とりあえず、勝負はお預けだ。」
「ウィンターカップに引き分けはねぇ。冬には白黒付けようぜ。」
「望むところです。」
観客席からは拍手が送られた。