第21章 WC予選
「やったぁ!!」
「よっしゃあ!!」
『よっしゃあああ!!』
「やった!!」
「すげぇ!王者泉真館に相手にこの戦いぶり!」
「誠凛、マジで強い!」
火神と黒子が拳を合わせていた。
ビーッ!
秀徳と霧崎第一の試合も終わった。圧倒的点差で秀徳の勝ち。
「!…あれ…。」
「ん、どうしたの…?」
「い、いえ…。」
監督に聞かれ、つい誤魔化してしまったけど…。
「…」(もともと…秀徳との試合は…捨ててたってこと…?)
霧崎第一の1軍のメンバーが試合を見ていた。
「隣の秀徳も、勝ったみたいだな。」
「共に1勝同士、勝てばウィンターカップの出場が確定し、負ければ大きく遠ざかる。」
「っ…。」
「!…」
『!…』
秀徳のメンバーがこちらを見つめていた。
それから…皆…控え室に戻り…。
「全く、浮かれてる暇もねぇな…。まず間違いなく、次は相当厳しい戦いになる。」
「でも、木吉先輩もいるし、こっちも、前とは違うじゃないですか。前やった時も勝ったし。」
「…」(いくら木吉先輩がいるとはいえ…あっちだって練習をしてないわけじゃない…。油断なんか…出来ない…。)
「そうでしょうか。」
「!…」
「え?」
「だからこそ、次の試合は苦しい気がします。」
「黒子君は勘違いしてないみたいね。前勝てたのは、出来すぎも良いとこ。実力は、あくまで向こうが上よ。」
「…けど向こうはそうは思っていない。本来格上として待ち受けてくれるはずの相手が、逆に死に物狂いで挑んでくる。」
「!?…」