第4章 全部…変わってしまった…。
「っ…!」(テツ君が…怖気づいた…?)
理解したあと、私は瞬時に手が出ていた。
パンッ!と音が鳴り、赤司の頬が赤く染まった。赤司に平手打ちをした私。
「!?…」
「菜月っち…!?」
「なっ…!…菜月…!何をしているのだよ。」
部員全員がこちらを向いた。
「テツ君は怖気づいて辞めたんじゃない!皆が変わっちゃったから辞めたんじゃん!何で変わっちゃったの!?おかしいよ!!」
「……何か勘違いをしているようだね、菜月。」
「!…えっ…?」
「僕達は変わってなんかないよ?おかしくもない。」
「…何…言ってるの…?」
赤くなった頬を手の甲でさすり、私にニヤリと笑みを見せる。
「菜月こそ、僕に手をあげるなんて、いい度胸だね?」
「!…」
その目は……とても怖くて…逆らうな…と…言っているみたいで……とても…口答えなんかできるような状況じゃなかった……。
「…っ…ゴメン…なさい……。」
私は謝った。
でも、私は部活にはちゃんと行った。
逃げたくなかったから。
そして……中学を卒業した。
学力はガクンと落ち、親にも心配された。でも、「大丈夫。」と答え続けた。
「…一緒の高校に行ってもいいかな…?」
「!…え…?」
「…変わってないのは……やっぱり…君だけだと思うんだ。君のやるバスケを……見ていたいから……ダメかな…?テツ君。」
「!…もちろん、一緒の高校に行ってくれるなんて、光栄です!!」