第4章 全部…変わってしまった…。
「…」
部活動日誌をペラペラとめくっていた。誰もいなくなった体育館で。
8月12日、今日はテツ君と大輝が絶好調だった。2年生だというのに、先輩達を追い抜く勢い、凄すぎる!!
9月21日、灰崎君がいつの間にかいなくなっていた。征君に何か言われたらしいけど……。
10月5日、みんなの様子が少しおかしい。違和感を感じる…。
2年生の後半ぐらいだった。青峰の様子が……みんなの様子がおかしいと思ってきたのは……。
そして、3年になった今、崩壊寸前。
「…っ…。5月……30日……。みんなが……壊れた……。」
そう書き記し、その日誌は、いつしか…開かなくなっていた。
他にも、たくさんの思い出を書き記していたのに……いつしか……開かなくなっていた。
そして……またある日……。
「…菜月。」
「!…あ、赤司…君…。」
「…?どうしたんだい?昔みたいに、征君って、呼んでくれてもいいのに。」
「っ…う…ううん……け、けじめ…つけなきゃ…。」(違う……君は…征君じゃない……誰…?)
「僕に嘘をつこうとしたって無駄だよ?菜月。」
「!…」
「図星?あぁ、それより、菜月もバスケ部を辞めたくなったら辞めるといい。」
「!?…」(何…言って……。)
「大輝も、敦も部活に来なくなった。そして、テツヤは怖気づいたのか部活を辞めた。だから菜月もいつでも辞めてくれてかまわないよ?」