第21章 WC予選
秀徳高校、決勝リーグ進出。
泉真館高校、決勝リーグ進出。
霧崎第一高校、決勝リーグ進出。
「泣いても笑っても、あと3試合。」
「ウィンターカップの予選なんて、あっという間ですね。」
トーナメント表を見ながら1年生が話していた。
「何言ってんだ、だほ!」
「んえ?」
「逆だ。やっとだろうが。」
「もう忘れたの?予選に出られるのは、夏の戦いで300以上の学校から勝ち残った、上位8校のみ。言い換えれば、ウィンターカップ予選っていうのは、インターハイ予選と同時に始まったってこと。つまり、夏から続く最も長い予選なのよ。」
「決勝リーグ初戦の相手は泉真館。今まで2度も負けた相手だ。必ず勝つぞ!」
『おう!!』
「…火神君、菜月さん。」
「…?」
「あ?」
皆とわかれ、バスケットコートに来た。
「で、なんだよ。」
カバンをあさっている黒子に対して火神が聞いた。
「新しいドライブの、練習相手になってくれませんか?」
「!…おいおい、まだ出来てなかったのかよ…!」
「練習段階ではほとんど出来てます。お願いしたいのは、仕上げの対人練習です。」
「…なるほどな。いいぜ、来いよ。」
ニヤリと笑みを浮かべた火神。
そして始まった1on1。私はコート外に出て、試合を見ていることにした。
「!…」
「!…」
火神を抜いた黒子。
「…」(凄い…もし本当に…これが試合で使えたら…無敵のドライブ…。)
「…?」
「…あっ…。」
でも、ボールは火神の目の前にあった。そのボールを拾いあげる火神。
「あ!じゃねぇよ!何がほとんど出来てますだ!すっぽ抜けじゃねぇか!」
「すっぽ抜けました。」
「だから今言ったよ!!」