第21章 WC予選
「っ…!!」
見事に決まったダンクシュート。でもゴールリングを離した瞬間、火神はまた後頭部から床に向かって落ちていった。
『またかよ!!』
「今度は決めたけど!」
ビーーッ!!
「試合終了!」
『わーーっ!!』
歓声が起こった。
「ってぇ…。」
起き上がった火神に対して黒子は手を差しのべた。
「!…」
そして火神はその手をとり、立ち上がった。
「今日はよくひっくり返りますね、火神君。」
「フッ…うっせぇ。」
「やったぁ!!」
「よっしゃあ!!」
「やったなぁ!!」
「やった!」
私は監督と手を握って喜び合った。
「108対61で誠凛高校の勝ち!」
『ありがとうございましたぁ!!』
「荒れるでぇ…この先は…。」
「!…」
私は観客席にいる今吉達の方を見た。
「…!」
私の視線に気づいたのか、ニコリと微笑み、ひらひらと手を振ってくれた今吉。
私はお辞儀をした。
「あ、あの…!」
「!…」
片付けをしていると、丞成の選手が私の元へやってきた。
「あっ…えっと…鳴海…君…?」
試合が始まる前にナンパをしてきた選手だった。
「…っ…クソッ……結局負けちまったし…連絡先…交換できねぇし…。」
「…えっと…勝っても…連絡先交換するつもりはなかった…ですけど…。」
「え!?」
「でも…凄かったです、試合。ありがとうございました。」
私は微笑んだ。
「!…かっ…可愛いいいい!!」
私を抱きしめようとした。
「おい鳴海。いい加減にしろ。」
でも、丞成のキャプテンに連れて行かれた。