第21章 WC予選
『わーっ!!』
「やっぱダブルチーム!」
「意地見せるぜ丞成!」
「!…」
「何人いようがそれじゃ無理だぜ!」
火神は2人を軽々抜いた。
「なっ…!?」
「抜いた!!」
監督がガッツポーズをした。
「勝つ気のないディフェンスじゃ、俺は止めらんねぇよ!」
「させっかぁ!もう勝った気になってんじゃねぇ!」
『!…鳴海!』
「!…ホッとしたぜ、お前みたいな奴がいてくれてよぉ…!けど悪ぃな!勝つのは…!」
『!…』
「決めろぉ!火神ぃ!!」
「!…大我君!!」
「うおおおおっ!!」
根拠はない。だが、彼ら(キセキの世代)はふと直感した。その全員が10年に1人と言われる天才、キセキの世代。彼らと同格の選手は存在せず、もし現れたとしても、それはずっと先……のはずだった。彼らが聞いたのは扉の音。その圧倒的天才達しか入れない部屋の扉が、こじ開けられた音。