第21章 WC予選
『わーっ!!』
ちょうど日向がレイアップシュートを決めたところで歓声があがっているところだった。
「そこまで…丞成有利ってわけじゃないみたいですけど…。」
桜井がそう言うと、今吉がニヤリを笑みを浮かべた。
「あぁ、わざわざ見に来た甲斐があったわ。」
「!…え?」
「よう見とき。誠凛7番。アイツのプレーは予測不可能や。」
「!…フックシュート!?」
ではなく、そのまま日向にパスを出した。そして日向のシュートが綺麗に決まった。
「!…」
黒子でさえ驚いている。
「スティール!?」
そしてまたフックシュートのモーションに入った。
「…」(今度は…パス…シュート…?)
今度はフックシュートだった。
「!…」(凄い…。)
相手にしたら、凄いやりづらい相手だっただろう。
「か、監督…。」
「ん?」
「…木吉先輩の手って…。」
「えぇ。彼の手は大きい。だから、普通の人ならボールを離してしまうタイミングでも、その大きい手を使って選択を変えることができる。」
「…凄い…。」(つまり木吉先輩は…相手のプレーを見てから変えることのできる、いわば後出しの権利を持ってるってこと…。)
木吉のプレーに見とれてしまっていた。
「クソッ!」
鳴海は力づくで勝負しようと考えたのか、そのままダンクを打とうとした。
でも……
「甘いぜルーキー!」
日向がニヤリを笑みを浮かべた。
「なめんな1年坊主!」
「!…」
ボールを弾き返した木吉。
「凄い…。」(センターとしても…強い…。)
圧倒されてしまった。