第21章 WC予選
「とりあえずどうする?思ったより乱暴なチームだ。」
伊月と日向と木吉が話していた。
「あぁ、楽に行くとか、お前も全然じゃねーか。頼むぞ。」
「いやぁ…久しぶりだと、試合の感が…。」
「おい…!」
「けどまぁ、そろそろ大丈夫。ボール回してくれ。試合はまだ始まったばかりだ。楽しんでこーぜ。」
「!…」(天然なのに…この人のことが…カッコよく見えるのは…なぜだろう…。)
どこか抜けているのに、彼は意外としっかりしていて、カッコ良い。
「な?」
そう言い、また火神の頭を叩いて試合に戻っていった木吉。
「っは…!」
「…どうしました?」
「いや…随分でけぇ手だと思ってな…。」
「!…」
その頃…外では……。
「おぉっ…やってるなぁ?」
「誠凛対丞成。どっちが勝ってますかね?」
「さぁのぅ……まぁ、実力は同格やが、誠凛にとって丞成は相性最悪や。誠凛はとにかくインサイドが弱い。逆に丞成の売りはゴリゴリ来るインサイド。特にセンターの1年は相当なパワーや。誠凛にはキツい相手かもしれん。」
そう言い、観客席に行くためのドアを開けた。
話している2人…それは、今吉と桜井だった。
「まぁ、どうにかして菜月も……あ…っ…。」
試合をしている誠凛の動きを見て、今吉の目が見開いた。
「!…」
第1クォーター残り、7分10秒。5対9で誠凛が負けていた。