第21章 WC予選
「え…えっと…。」
「可愛いッスね!!いくつッスか!?」
「あ…え…と…。」
絡んでいる鳴海に対して殺意を向けた目で見つめる黒子と火神。
「おい、鳴海。早く戻れ、試合するぞ。」
「あ…はい…!俺が勝ったら、連絡先教えてね!」
そう言い、彼はコートに戻っていった。
そしてようやく始まった試合。審判が上に向かってボールを投げた。先にボールを取ったのは誠凛。日向から火神へ、ボールが渡った。
火神は伊月へ、そして伊月は日向へ。
日向が床にボールをバウンドさせ、火神へパスが渡った。でも火神には2人マークがついていた。
「持ちすぎるな火神!」
「わーって…っ…!?」
伊月に言われた火神。でもボールを取られ、コート外に出たボール。
ピピッ!
「白ボール!」
「クソッ!」
「火神君。落ち着いてください。」
「うるせぇな!落ち着いているよ!」
明らかに落ち着いている様子はないけど……。
「ったく…。」
日向が呆れている。
「…」(大我君にダブルチーム……相当ラフ……流れが悪い…。)
すると、木吉が火神の頭を叩いた。
「火神ぃ、顔怖いぞ?もっと、楽に行こうぜ?」
「いってぇって!!叩きすぎだよ!!」
「はははっ!」
「めり込んだらどうすんだ!ですよ!」
「はははっ!え?」
すると、木吉は真面目な顔になり……
「何言ってんだ火神。人はそうそうめり込まない。」
「知ってるよ!!もういいわ!」
「っ…フフフッ…!」(天然…にもほどがある…。)
私はクリップボードで顔を隠して、声を殺して笑った。