第20章 紫色の…
「…っ…はぁ…。」
もの凄く緊張した。
「…行こ…皆のところ…。」
そう思い、ベンチから立ち上がった時だった。もう1度、着信音が鳴った。
「!?…」
もしかして…と思い、見てみるけど、青峰だった。
「…」(ビックリした…また赤司君がかけてきたのかと思った…。)
少し出るのをためらってしまった。さっきの、肘の故障のことを言われたから。
「…!」
鳴らなくなった着信音。でもまた鳴り出した。
「…もしもし。」
「あ~、出んの遅ぇよ。」
「ご…ゴメン…。」
「別にいいけどよ。」
「…ど、どうしたの?」
「…別に…。」
「…?」
「…」
「…あ…あの…さ……さつきと…何かあった?」
「あ?」
「っ…な、なんか…あ、あったのかな…って…。」
「…チッ…あのブス、そっちにいんのかよ。」
「う、うん…。」(さつき…ブスじゃないけど…。)
ため息をついた青峰。
「…あ、あの…。」
「ん~?」
「…肘…大丈夫…なの…?」
「…お前、それ誰から聞いた?」
「…あ…赤司君…。」
「…マジかよ…。」
「…涼太との試合の時に…無茶したんでしょ?」
「…別に。」
そっけない返事。
「…部活あるから…もう行くね…。」
「菜月。」
「…何?」
「……お前…なんで俺のそば来なかったんだよ…。」
「え…?」
声が苦しそうだった。
「俺は……俺は…お前のこと…好き…なんだよ…。」
「…私も、青峰君のこと好きだよ?」
「…そうじゃねぇよ…。」
「…?」