第20章 紫色の…
「久しぶりだねぇ、なつちん。」
「!……久し…ぶりだね…紫原君…。」
「ん~?なんでなつちん、そんなにぎこちないの~?呼び方も変だしぃ…。」
「…気のせい…だよ…。」
「…ふぅん…まぁ別にい~けどぉ…。」
すると、紫原は私の頭を撫でた。
「!…」
「あんまり中学の頃から身長変わらないんだね、なつちん。」
「…」
「小さくて、可愛くて…真っ直ぐで…ホントに…可愛いよねぇ…なつちん。」
紫原は言い終えたあとに、私を抱き上げた。
「!?…」
「軽いし、小動物みたいで、ホントに」
「クシュンッ…!」
「!…」
体が思った以上に冷たくて、寒くなり、私は紫原に向かってくしゃみをしてしまった。
「っぁ…ご、ゴメンね…!紫原君…!」
紫原はゆっくりと私を降ろしてくれた。私はすぐにポケットからハンカチを出して、紫原の頬や目の下などを拭いた。
「む…紫原君…もっとしゃがんでくれないと…拭けないよ…。」
「ん…?ん…。」
背伸びをしても、目の上まで届かない。紫原はしゃがんでくれた。
「ホントに…ゴメンね…?」
「ん、全然い~よ。つか、そんなにかかんなかったし。」
「…いい加減、そこまでにしてください。」
黒子が私の腕を掴んで引き寄せた。
「ん、黒ちん、今いいとこだったじゃん。」
「全然いいとこなんかじゃありません。菜月さんにちょっかいかけるのはやめてください。」