第20章 紫色の…
ピピーッ!
「お知らせします。ゲームは一時中断します。選手、およびレフリーもテントに入ってください。」
アナウンスが流れた。
何か、話していたみたいだけど、雨の音で何も聞こえなかった。でも、氷室が打ったシュートが、火神はブロックできず、ゴールリングに入ったのだけ、しっかりと見えた。
「!…あれは…っ…。」
私はコート内に入った。
「じゃ~ね、黒ちん。」
紫原は黒子の頭を撫でた。
「やめてください。」
黒子はまた手を払いのけた。
「あっ、ゴメン。怒ったぁ?」
「…紫原君。今でもバスケはつまらないですか?」
「その話、それ以上するならひねり潰すよ?黒ちんでも…。楽しいとか面白いとか。そういう感覚わからない。けど勝負に勝つのは好きだし、向いてるからやってるだけじゃダメなの?ま、反論あるなら聞くよ?」
歩きながらそう言い、右手をあげた。
「ウィンターカップで。」
すると、紫原は私の前で止まった。