第20章 紫色の…
「ちょっと待てよ…!」
火神が紫原の肩を掴んで止めた。
「いきなり乱入してそれはねぇだろ。ちょっと混ざってけよ。」
『!?…火神…!』
「キセキの世代前にして、黙ってられるか。そもそも俺と辰也の勝負に、茶茶入れてんじゃねぇよ…!」
「…」
すると、紫原は、人差し指と親指を火神の目の前に近づけ……。
「その眉毛どうなってんの…?なんで2本?」
そう言ったあと、火神の上に生えていた眉毛をブチッ…!と音を立てて取った。
「!?…いってぇ!!何すんだテメェ!!」
「う~わ、長っ…。」
「この…っ…!人の話聞いてたのかよ!」
「え?何が?」
「だから混ざってけって!」
「は~やだ。」
火神だけムキになっていて、紫原は適当に返事を返していた。
「なんか、イメージと違うっていうか…。」
「変わってんなぁ…。」
「彼は、バスケ以外のネジが基本緩いです。」
「はい?」
「スポーツ選手でたまに見かけるタイプですけど、ある分野で圧倒的な才能を持ちながら、逆にそれ以外は何もできない。」
「…天然系ってこと?」
「ですが、バスケでスイッチが入ったときは、無敵です。」
黒子が説明をしていた。
「…」(紫原君…。)
「んもう、うるさいなぁ、室ちん行こ。」
「!…」
すると、火神は何か思いついたように声をあげた。
「なぁ~んだ!ガッカリだわ全く!そんなビビリとは知らなかったぜ!逃げるとか…だっせぇ!」
「げっ…!火神それ、挑発のつもりか?」
「レベル低すぎ…。」