第20章 紫色の…
「な~んて、嘘嘘。」
紫原はそのまま黒子の頭の上に手を置き、撫でた。
「……やめてください。」
黒子はムカついて手を振り払った。
「あれ?怒ったぁ?ゴメンてば。」
「…!」(大我君の目が…。)
凄く楽しそうな目をしていた火神。
「来ないかと思ったよ。」
「つーかぁ、急に会う場所変える方が悪ぃし。日本帰ってきて東京見物したいって言うから来たのに。」
紫原はスーパー袋に入っていたたくさんのお菓子の中からポテチを取り出し、ポテチの袋を開けた。
「なんか結局ストバスしてるしさぁ…。」
ポテチを食べながらそう言った。
「悪い悪い。欠員出て困ってるって言うし、面白そうだったんで、ついな。」
「ちょっ…!?陽泉って、確かインターハイ出場校だったよな?」
「え…!?じゃあアイツもインターハイに出てたのか?」
「ううん、俺、出てねぇよ。」
小声で喋っていた2人の声が聞こえたのか、紫原は、しっかりと答えていた。
「!…」
「え…なんで?」
「さぁ…?ていうか、赤ちんが言ったからそうしただけだし。」
そう言いポテチのカスが付いた親指の腹を舐めた。
「赤ちんて…。」
「赤司君です。キセキの世代で、キャプテンだった人のことです。」
「!…」
『…』
「…あ、忘れてた。室ちん。ウチ確か、草試合とか禁止。だから止めに来たんだ。」
「!…そうなのか?まいったな。」
「だから、行くよ。」
そう言い、紫原は氷室の背中を押して、連れて行こうとした。