第20章 紫色の…
歓声が1度静まった。
「つーわけで多分、なり振りかまってらんなそうだわ。いきなり全開で行くぜ!!」
ジャンプボールで試合が始まろうとしていた時だった。
『!…』
「!?…」
宙に浮いていたバスケットボールの上に、まいう棒が乗った。
そして、そのバスケットボールは、ある人の手の上に。
「ゴメ~ン。ちょぉっと待ってくんなぁ~い?」
『…』
観客も静かになった。というか、その場全体が静まり返ってしまった。
「っ…!」(どうして…ここに…!)
「遅いぞ敦。」
「悪い悪い。迷っちゃって。」
「…お久しぶりです、紫原君。」
「!…」
黒子がそう言えば、火神が目を見開いて彼を見つめた。
「あら、黒ちんじゃん。なんでぇ?つか、相変わらず、真面目な顔だねぇ…。真面目すぎて…。」
彼は黒子に近づいていった。そして…黒子の頭上に手を出して……
「ひねり潰したくなる。」