第20章 紫色の…
「!…君が…菜月…か。」
「…知ってるんですか…?私のこと…。」
「うん、まぁね。君の話は、ウチのチームにいる奴から、嫌というほど聞かされたよ。」
「…?」
「…とても可愛い、可愛いマネージャーがいた。ってね。」
「!…」
「噂通り、可愛いマネージャーさんがいるもんだね。」
氷室が手を伸ばし、私の頭を撫でようとした時だった。
「すみませんが…彼女に触るのは、やめてもらえませんか?」
黒子が私の腕を引っ張り、私は後ろへ…。
「フフッ…君は…凄い独占欲の持ち主だね。」
「…そんなこと…ありませんけど…。」
氷室のことを睨みつけていた黒子。
それから……。
「さぁ、この大会もついに決勝戦!勝ち残ったのは、両チームとも高校生!」
「!…」
決勝戦で、氷室達のチームと試合をすることになってしまった。
「いったい、どちらが勝つのか!」
正邦の人達も試合を観に来ていた。
2チームとも、整列をした。私は正邦の人達の横で、試合を最前列で観ていた。
「じゃあやろうか。50勝目を賭けて。」
「あぁ…!」
「…」
「礼!」
『おなしゃす!!』
それから、それぞれのチームが配置につく。黒子と火神が何かを話していたけど、歓声で何も聞こえなかった。
「…」(…でも…なんだろう…彼は…氷室さんは…キセキの世代の人達と…雰囲気が…そっくり…。)
氷室をジッと見つめながらそう思った。