第20章 紫色の…
「エントリーはこちらで記入お願いします。」
受付に行って、記入をしようとした。
「バッカ、それ字違うじゃん津川。」
「…」
「…およ…?」
『!?…』
『!?…』
隣にいたのは、正邦の人達だった。
『誠凛!?』
『正邦!?』
それから……。
「いやぁ、奇遇だね。ていうか、なんでこんなとこいんのよ。練習は?」
「今日は休みです。」
一緒に芝生の上でランチタイム。
「もうやれるのか?」
「えぇ、まぁ、ぼちぼち。」
「アンタらこそいーのかよ、練習。」
「あぁ!?なんだそれ嫌味か!!」
火神は右手にアメリカンドック、左手に焼きそばパンを持って、その2つを食べながら言った。
「は?」
「あのなぁ…火神…。」
「津川はともかく、俺達3年は引退だ。」
「え…じゃぁ、ウィンターカップには出ねぇのかよ。」
「なんだお前知らんの?」
春日が空になったペットボトルを芝生の上に置いて説明した。
「ウィンターカップ予選に出れるのは、インターハイ予選上位8校だけだ。」
「!…」
「つまりインターハイ予選トーナメント1位2位まで、俺達がいたAブロックで言えば、誠凛と秀徳までだ。」
「つーわけで、誠凛に負けたおかげで自動的に引退。今日は受験勉強の合間の、息抜きってとこだ。」
そう言い、春日が立ち上がった。
「今日もし当たれば、去年流れた勝負が出来そうだな。」
岩村も立ち上がった。
「お手やわらかに。」